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歯科の麻酔が効きにくいのはなぜ?仕組みと痛みを減らす工夫

「麻酔をしたのに治療が痛かった」「同じ麻酔なのに日によって効き目が違う気がする」といった経験はありませんか?
歯科の麻酔が効きにくいのには、実はきちんとした理由があります。今回は、麻酔が効く仕組みや効きにくくなる理由、そして北野坂鳥居歯科医院で行っている「痛みを減らすための工夫」について分かりやすく解説します。
麻酔はどのように働くのか?
痛みは、神経の中を走る「電気信号」が脳に届くことで感じます。神経の表面には、この信号を起こすための小さな「出入り口」があり、刺激を受けるとそこが開いて信号が生まれます。
歯科の局所麻酔は、治療する場所の近くに薬を注射し、この出入り口をふさぐことで働きます。信号が生まれなくなるため、痛みが脳に届かなくなります。薬には血管を少し細くする成分が入っていることが多く、薬が早く流れ去らず、効く時間が長くなります。効果は時間とともに自然に切れ、神経の働きは元に戻ります。なお、止まるのは主に「痛み」で、触られている感覚や振動の感じは残ることがあります。
麻酔が効きにくくなる主な理由
「同じ麻酔なのに、効く日と効かない日がある」のは、決して気のせいではありません。主に以下のような原因が関係しています。
●強い炎症や膿があるとき:強い炎症や膿があると、その周囲の組織が酸性に傾きます。麻酔薬は酸性の環境下では神経の内側に入り込みにくくなる性質があるため、ズキズキと激しく痛む歯ほど麻酔が効きにくくなってしまいます。
●お口の場所や骨の状態:たとえば下の奥歯などは、周囲のあごの骨(皮質骨)が非常に厚く緻密なため、注射した麻酔薬が骨の内部まで浸み込みにくい傾向があります。
●緊張や不安が強いとき:精神的に強く緊張していると、脳が痛みの感覚に対して非常に敏感になります。麻酔自体は十分に効いていても、治療中の触られる感覚や不快な振動を「痛い」と錯覚して感じやすくなります。
●解剖学的な個人差:お口の中を通っている神経の枝分かれの仕方、位置、形には、人それぞれ細かな個人差があります。
痛みを減らすための工夫と、電動注射器「アネジェクト」
麻酔で痛みを感じるのは、実は薬の効き目よりも「注射の瞬間」であることが少なくありません。手動の注射器で薬液を急いで注入すると、その強い圧力(圧痛)で痛みが出やすいからです。そこで当院では、コードレス電動注射器「アネジェクト」を導入しています。
・コンピューター制御による安定した注入速度:手で押す注射器では薬を入れる速さがどうしてもバラついてしまいますが、電動注射器は薬液を非常にゆっくりと、一定の微量な速度で安定して注入できるため、痛みを大幅に軽減できます。
・小型で軽量なペン型設計:アネジェクトは小型で軽いペン型のため、ドクターの手元での繊細な操作やコントロールがしやすいのも大きな特長です。小児歯科の分野でも、手動の注射器に比べてお子様の痛みや恐怖心が少なかったという研究報告があります。
当院ではさらに、注射の前に歯ぐきの感覚を麻痺させる「表面麻酔」を塗布し、「可能な限り細い注射針」を使用するなど、幾重もの痛みを減らすアプローチを行っています。
当院では「日本歯科麻酔学会専門医」が担当できます
当院には、高度な麻酔技術と知識を持つ「日本歯科麻酔学会専門医」が在籍し、担当できる体制が整っています。
・専門医による安全な管理:過去に歯科の麻酔で気分が悪くなった経験がある方、強い炎症で麻酔が効きにくいことが予想される方、あるいは持病(高血圧や心臓疾患など)やお薬の服用がある方でも、全身状態を専門的に管理しながら、より安全で負担の少ない麻酔処置を行うことが可能です。
※専門医の担当日や出勤スケジュールは限られておりますので、専門医による診療をご希望の患者様は、お手数ですが事前に当院までお気軽にご相談ください。
麻酔が効きにくいときはどうするの?
治療中に「まだ痛い、麻酔が十分に効いていない」と感じたら、がまんして治療を続ける必要は絶対にありません。いつでも手を挙げてお知らせください。
麻酔の量を少し追加したり、注射する場所やアプローチ方法(伝達麻酔など)を変えたりして、お体の様子を見ながら慎重に進めます。どうしても炎症が強すぎて麻酔が効かない場合は、その日は無理をせず、いったん抗生剤などの薬の服用や応急処置で炎症を落ち着かせ、日を改めてから本治療を行うこともあります。これは、患者様の痛みを最小限に抑えて安全に治療を進めるための大切な医療判断です。
麻酔のあとに気をつけていただきたいこと
麻酔が効いている間(通常1~3時間程度)は、唇や頬、舌の感覚が鈍くなっています。
・お食事・お飲み物の注意:感覚がない状態で食事をすると、気づかないうちに自分の頬や舌を強く噛んで傷つけてしまったり、熱い飲み物で火傷(やけど)をしてしまったりしやすくなります。できる限り、麻酔の感覚が完全に元に戻ってからお食事をとるようにしてください。
まとめ
歯科の麻酔が効きにくいのには明確な理由があり、その多くは事前の工夫や専門的なアプローチ、方法の変更でしっかりと乗り越えることができます。「とにかく痛いのが苦手」「麻酔にトラウマがある」というお悩みも、どうぞ遠慮なくスタッフにお伝えください。
神戸・三宮の北野坂鳥居歯科医院では、患者様一人ひとりの不安に寄り添い、できる限り痛みの少ない、リラックスできる誠実な治療を提供してまいります。
監修者 鳥居 秀平 医療法人社団 悠和会 北野坂鳥居歯科医院/理事長

「医は仁術」の理念に基づき、患者様の気持ちに寄り添い、誠実で愛情ある治療を行うことを大切にしています。当院では、患者様の不安や希望を伺い、その方に適した治療を提供することを重視しています。オペ室や歯科用CT、マイクロスコープなどの設備を整え、安全で信頼できる治療環境を整えており、スタッフ一同、患者様の大切な歯を守るために努めております。
略歴
1994年 日本大学松戸歯学部卒業
1996年 英国マンチェスター大学研究在籍
1998年 国立大学 東京医科歯科大学大学 歯学部 文部教官
1998年 東京医科歯科大学付属歯科衛生士学校 講師
1999年 国立大学法人 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 顎顔面機能再建学系専攻 文部科学教官
2001年 北野坂鳥居歯科 開業
所属
日本口腔インプラント学会 専門医、指導医
アジア口腔インプラント学会 認定医

078-321-0146


