診療について

冷たいものがキーンとしみる…知覚過敏を“ふさぐ”「ナノシール」とは?

冷たいものがキーンとしみる…知覚過敏を“ふさぐ”「ナノシール」とは?

冷たい飲み物やアイスを口にしたとき、歯ブラシが触れたときに「キーン」としみることはありませんか? その症状は、象牙質知覚過敏かもしれません。今回は、当院で知覚過敏への処置に用いる「ナノシール」について、どのような材料なのか、どのように歯を守るのかをわかりやすくご紹介します。
どうして歯がしみるの?🦷🦷🦷 健康な歯では、表面のエナメル質や歯ぐきが内側の象牙質を守っています。しかし、歯ぐきが下がる、強い力で歯を磨く、酸性の飲食物を頻繁にとるなどの影響で象牙質が露出すると、刺激が内部へ伝わりやすくなります。 象牙質には「象牙細管」という非常に細い管が無数にあります。冷たさや歯ブラシの刺激で管の中の液体が動くと、その動きが歯の神経に伝わり、短く鋭い痛みが生じると考えられています。
ナノシールは「象牙細管にふたをする」材料🦷 ナノシールは、日本歯科薬品株式会社が製造販売する歯科用知覚過敏抑制材料です。A液とB液の2種類を混ぜて歯に塗ると、歯の成分と反応し、表面に厚さ約1μm(0.001mm)の「耐酸性ナノ粒子層」を形成します。この層は、フッ化カルシウムやリン酸カルシウム、フルオロアルミノシリケートガラスなどから構成され、開いた象牙細管の入口をふさぎます。 つまり、神経を麻痺させるのではなく、刺激の通り道に薄いふたをつくり、しみる原因となる液体の動きを抑える仕組みです。研究でも、塗布後の歯面にナノ粒子の沈着と象牙細管の封鎖が確認されています。
処置は「塗布して水洗」が基本です🦷 処置では、まず歯の表面の汚れを取り除きます。その後、2液を混ぜたナノシールをしみる部分へ5〜20秒ほど十分に塗布し、水で洗い流します。光を当てて固めたり、強くこすり込んだりする必要はなく、歯を削らず短時間で行えることが特徴です。歯ぐきに近い部分や歯と歯の間など、器具が届きにくい場所にも液が行きわたりやすい材料です。 露出した歯の根元の知覚過敏だけでなく、詰め物や被せ物の治療で削った歯の表面を保護するコーティング材として使用することもあります。形成される層が非常に薄いため、補綴物の適合への影響は小さいとされています。
一度で完全に治るとは限りません🦷 症状の程度や原因によって効果には個人差があり、一度の塗布で十分な改善が得られない場合には、再度塗布することがあります。また、強すぎる歯磨きや酸性飲食物のとり方、歯ぐきが下がる原因などが残っていれば、症状が再発することもあります。ナノシールの塗布とあわせて、歯磨きの力や生活習慣を見直すことも大切です。
「しみる=知覚過敏」とは限りません🦷 冷たいものがしみる症状は、むし歯、歯のひび、詰め物の不具合、歯髄炎などでも起こります。刺激がなくても痛む、夜に目が覚めるほど痛む、刺激を除いても痛みが長く残る場合は、知覚過敏以外の原因も考える必要があります。 北野坂鳥居歯科医院では、まずお口の中を確認し、しみる原因を見極めたうえで、ナノシール、知覚過敏用歯磨剤、ブラッシング指導、修復治療などから適切な方法をご提案します。「最近、冷たいものがしみるようになった」と感じたら、我慢せずお気軽にご相談ください。

監修者  鳥居 秀平  医療法人社団 悠和会 北野坂鳥居歯科医院/理事長

監修者  鳥居 秀平  医療法人社団 悠和会 北野坂鳥居歯科医院/理事長

「医は仁術」の理念に基づき、患者様の気持ちに寄り添い、誠実で愛情ある治療を行うことを大切にしています。当院では、患者様の不安や希望を伺い、その方に適した治療を提供することを重視しています。オペ室や歯科用CT、マイクロスコープなどの設備を整え、安全で信頼できる治療環境を整えており、スタッフ一同、患者様の大切な歯を守るために努めております。

略歴
1994年 日本大学松戸歯学部卒業
1996年 英国マンチェスター大学研究在籍
1998年 国立大学 東京医科歯科大学大学 歯学部 文部教官
1998年 東京医科歯科大学付属歯科衛生士学校 講師
1999年 国立大学法人 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 顎顔面機能再建学系専攻 文部科学教官
2001年 北野坂鳥居歯科 開業

所属
日本口腔インプラント学会 専門医、指導医
アジア口腔インプラント学会 認定医